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第11回ボキューズ・ドール国際料理コンクール
2007年1月23、24日、フランス・リヨン
日本代表、長谷川幸太郎シェフ(サンス・エ・サヴール)に決定!
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左より、水野(審)、コルビ(審)、上柿元(審)、佐々田(選)、市塚(選)、長谷川(選)、柏木(選)、能勢(選)、梶原(選)、平松(審)、緑川(審) (敬称略) |
第11回ボキューズ・ドール国際料理コンクールの国内決勝が3月8日、エコール・キュリネール大阪あべのにて開催され、長谷川幸太郎シェフ(サンス・エ・サヴール)が2007年1月にシラ国際外食産業見本市内(フランス・リヨン)にて行われる国際本選の日本代表の座を勝ち取りました。
この狭き門に挑戦したのは、一次審査(書類選考)、二次審査(実技審査)を勝ち抜いた6名のシェフたち。
市塚 学:富山全日空ホテル
佐々田 京:ホテルグランヴィア大阪
柏木 健一:ホテルグランヴィア大阪
能勢 洋:帝国ホテル
長谷川 幸太郎:サンス・エ・サヴール
梶原 忠:東京プリンスホテルパークタワー
それぞれに与えられた調理時間は3時間。その間に、鶏2羽を使って8人前(プラトー6人前盛りと皿盛り2人前)の料理を、付け合わせ3種類(自由)とともに完成させなければなりません。本来、フランスでの本選食材にあわせて、ブレス産の鶏を使用する予定でしたが、鳥インフルエンザの問題で急遽日本で育てられたランド地方の赤ラベル鶏に切り替えられました。
今回のこの厳正なる審査を取り仕切る国内予選審査員は、次のシェフで構成されています。
会長 |
緑川 廣親氏: 京王プラザホテル総料理長 |
委員長 |
平松 宏之氏: 株式会社ひらまつ 代表取締役 |
審査委員 |
上柿元 勝氏: ホテルヨーロッパ 名誉総料理長 |
審査委員 |
Dominique CORBY氏:株式会社ニューオータニ大阪 料理長 |
審査委員 |
水野邦昭氏: 辻調理師専門学校 フランス料理 主任教授 |
当日、朝9時、競技開始前に平松宏之シェフをはじめとする審査委員からの激励、また、実技審査の説明を受ける6名の真剣な表情から、緊張が伝わります。
今大会より、精神力やフランスという環境での適応力も審査対象となり、審査員による競技中の質問もフランス語で行われるなど、大きな変革が行われました。また、リヨンでの本選会場の雰囲気に少しでも近づけようと、調理ブースに取材プレスやカメラクルーなどの立ち入りを許可し、観衆、プレスの目がある中での調理が出場シェフたちに要求されました。
調理は、1番から6番の選手まで、それぞれ15分のタイムラグで調理を開始します。審査員が、もっとも良い状態で試食審査できるよう、調整されているのです。三時間の調理時間が短く感じられるほど、一瞬一瞬の動きには無駄がなく、ピンと張り詰めた会場の空気からも、出場シェフたちのレベルの高さを伺うことが出来ました。出場6選手のうち、フランスでの修行経験があるのは、3選手のみ。ドミニク・コルビシェフを中心に行われたフランス語での質問は、フランスでの経験のない選手達には精神的に大きなプレッシャーとなってのしかかりました。
しかし、本選フランスでは、これよりももっと過酷な状況の中、大観衆の前で調理を行うことになるのです。
13時、一番目の選手の終了時間。緊張が走ります。審査室に場所を移した審査員達の前に、ぞくぞくと選手の調理プラトー(皿)が運ばれてきます。一点、一点の作品を見つめ、食する審査員達の表情も真剣そのものです。それぞれの意見を伝え、協議し、点数をつけていきます。
この日、シンガポールより来日したジャック・プルセルシェフも、審査には加わりませんでしたが、熱い視線でこの審査の様子を見守っていました。
選手達にとっては、非常に長い待ち時間だったことでしょう。
すべての審査を終えた審査員シェフ達が選手達を迎え、審査発表が行われました。
審査発表
まず、緑川廣親会長からは、次のような総評がなされました。
「全体として、非常にレベルの高い決勝だった。ただ、時間のない中で、ていねいな仕上げを行えていないものも見受けられた。普段の仕事と同じように、最後まで丁寧さを心がけてほしい。また、フランス語の必要性も感じたのではないか。重要な話をする必要はないが、コミュニケーションが取れるレベルにはなってほしい」
づづいて、平松宏之審査委員長は、次のように評しました。
「このコンクールは、年々レベルが上がってきている。1位~3位は本当に僅差だったし、今後成長するであろう要素も見えた。この決勝は、あくまで、日本代表を決める決戦であり、今がスタートライン。今後は審査員、また今日の出場選手全員が一緒になって、代表選手を送り込むことになる。皆で盛り立てていきたい。一緒にがんばりましょう。」
その後、審査員シェフとの懇親会に移りました。
その中で、ドミニク・コルビシェフが「鶏の特徴を活かすことも考えてほしい。ムースにしたり、細かくしたりの技も良いが、素材そのものの味をあまり感じることが出来なかった。素材を生かすのは、フレタンなどでもとても重要」と述べるなど、今後も課題も指摘されました。
上柿本シェフからは審査上で、審査員より出された各選手へのコメントが発表されました。
それぞれのソースの特徴や、盛り付けなど、日本を代表するシェフたちからのコメントに選手達は熱心に耳を傾けていました。
代表となった長谷川シェフは、今後、来年1月のリヨンに向けて、トレーニングを積むことになります。料理の腕はもちろん、本番で本領を発揮できる精神力、語学力も要求される厳しいものになる予定です。
ボキューズ・ドール日本代表の決定は、まだスタートラインに過ぎません。今後は、この長谷川選手を日本ボキューズ・ドール委員会がサポートしながら、来年1月のフランス本選を目指します。
なお、第11回ボキューズ・ドール国際料理コンクール国内決勝にご協賛いただいておりますのは、現在、下記の八企業・団体です。
◆ オフィシャルパートナー |
株式会社フジマック |
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辻調理師専門学校 |
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吉田金属工業株式会社 |
◆ パートナー |
北沢産業株式会社 |
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新日本ウエックス株式会社 |
◆ 協賛メンバー |
楽天株式会社 |
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ギャラリーNukaga |
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ユニマットグループ |
◆ メンバー |
スギコ産業株式会社 |
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